ねこさい広場モニュメント

ねこさい広場に「幸せを呼ぶ」モニュメントが
誕生しました!

伊豆高原在住の世界的彫刻家・重岡建治さん製作のモニュメント「幸せを呼ぶ」が、ねこさい広場に誕生しました。
北川区民の心のシンボルとして、町の皆の志を集めて建立されたモニュメントの誕生ストーリーを小さな港町北川の歴史とともにご紹介いたします。

「ムーンロードテラス」新設計画

「ムーンロードテラス」新設計画

♪〜なむ せーぃの神さん♪
昔、北川の子供たちには、さいの神様に祈りを捧げ、両手を合わせて、漁の安全と大漁祈願をする習わしがありました。ねこさい(※定置網漁)でブリが大漁に揚がると、小さな港町北川は、にわかに活気づき、みんなが笑顔になって、まるでお祭りのようなにぎわいになるのです。

2000年、ねこさいでとれた新鮮な魚を、炭火で焼いてふるまおうと始まった「さかなまつり」。会場には名前もなく、「港の広場」と呼ばれていました。
2010年、北川の文化の源である「ねこさい」を伝えていくために、イベント名は「ねこさいの日」と改め、広場は「ねこさい広場」と呼ばれ親しまれるようになりました。

その後、ここ北川のムーンロードの神秘的な美しさが広く知られるようになり、「日本百名月」の登録地にも認定されたことから、「月の出」や「ムーンロード」を楽しみに訪れる人々が年々増えてまいりました。そして2023年、「ねこさい広場」に「ムーンロードテラス」が誕生することなったのです。

北川区、北川温泉旅館組合一同で滋賀県琵琶湖へテラスの視察研修に出向いたり、様々なアイディアを検討していくうちに、「ねこさい広場」を世界で一つの誇れる場所に育てていくためにも、北川区民の心のシンボルとなるようなモニュメントを設置してはどうかという声があがりました。
そして、とても幸運なことに、伊豆高原在住の世界的な彫刻家・重岡建治さんに製作を依頼できるご縁に恵まれ、小さな港町北川の人々は一致団結! 
モニュメント設置の実現を目指し、「ねこさい広場 彫刻設置発起人会(会長:鳥澤孝雄 副会長:鳥澤武人 監事:成生一郎)」が立ち上げられました。

彫刻設置発起人会

幸せを呼ぶ」モニュメント

ねこさい広場 彫刻設置発起人会

熱意はあれど、彫刻のことは右も左もわからないところからのスタートでしたが、伊豆高原にある重岡先生のアトリエを訪ねた発起人会のメンバーは、アトリエを埋め尽くす生命力あふれる作品群に圧倒されます。
そして、気さくにご対応くださる先生の愛と情熱にふれ、モニュメントへの想いもどんどん高まっていきました。

発起人会は、彫刻設置実現を叶えるべく、熱い想いを綴った趣意書を手に、北川区内の全戸を一軒一軒回り協力を求めました。
60軒にも満たない小さな港町でありながら、個人、事業所、団体から合わせて約100件の賛同を得て資金を確保。正式に製作を依頼することができたのです。
この団結力こそが北川区民の誇りであり、その誇りをモニュメントとして形にできたことがなにより嬉しく思えました。

北川を訪れた重岡先生は、北川の文化と歴史、「ねこさい広場」の成り立ち、北川びとの想いなどを丁寧にヒアリングしてくださいました。
その上で重岡先生が選んでくれたのは、魚にのった少年が笛吹くモチーフでした。
魚のボディにはハート型の窓があり、その窓から海や月を覗くこともでき、そこから顔を出して記念撮影もできる楽しいデザインです。
地元の人も観光客も集まる「ねこさい広場」にぴったりで、躍動感と愛らしさに満ちたモニュメントの作品名は、「幸せを呼ぶ」。
2023年、北川区民の心のシンボル、ムーンロードテラスを訪れるすべての人々の幸せを呼ぶ、素晴らしいモニュメントが誕生したのです。

発起人会のメンバーは、伊東市にある重岡先生の作品をきれいにする清掃活動に参加。彫刻を通じて生まれた市民同士の繋がりも大切にしていきたいと話しています。

伊豆新聞
伊豆新聞1028